新潟名物の笹団子作り、故郷を想うひととき

こんにちは!新潟の老舗和菓子店、江口だんごです。

新潟の美しい自然と人々の知恵が詰まった郷土菓子、笹団子。その独特の風味と香りは、多くの人の心を捉え、故郷の味として深く愛され続けています。

今回は、この笹団子がどのようにして作られるのか、その伝統的な製法と、ご家庭でも楽しめる作り方のエッセンスをご紹介します。

笹団子作りは、単に美味しいお菓子を作るだけではありません。それは、家族や故郷を想う、心温まる時間なのです。

笹団子の材料と道具

まずは、材料と道具を揃えましょう。

笹団子作りの主役は、もちろん笹の葉とよもぎです。

【材料】

  • もち粉上新粉: これらが団子の生地の主原料となります。もち粉だけでも作れますが、上新粉を混ぜることで歯切れの良い食感が生まれます。
  • よもぎ: 新潟では、春先の若く柔らかいよもぎを使います。摘んだよもぎはアク抜きをして、鮮やかな緑色と香りを保ちます。
  • あんこ: 団子の中に包むあんこは、甘さ控えめがおすすめです。粒あんでもこしあんでも、お好みでどうぞ。
  • 笹の葉: 団子を包むための笹の葉です。殺菌効果と香りが決め手となります。
  • イグサの紐: 団子を縛るための紐です。

【道具】

  • 蒸し器
  • ボール
  • すり鉢(またはフードプロセッサー)
  • 包丁
  • まな板

団子作りのはじまり

笹団子作りは、まずよもぎを準備することから始まります。

春になり、雪解けとともに顔を出すよもぎの若葉を摘みに行くのは、新潟の家庭にとって、春の訪れを告げる大切な行事でした。

やわらかなよもぎの葉は、独特の香りを放ち、手にするだけで心が弾みます。

摘んだよもぎは、丁寧に洗い、たっぷりの湯で茹でてアクを抜きます。茹で上がったよもぎは、冷水で冷まし、しっかりと水気を絞ってから細かく刻み、すり鉢で丁寧にすりつぶします。この作業が、笹団子の鮮やかな緑色と、深みのある香りを生み出すのです。

次に、生地を練り上げます。

もち粉と上新粉を混ぜ合わせ、すりつぶしたよもぎと砂糖、少量の水を加えて、耳たぶくらいの固さになるまで、手でしっかりと練り上げていきます。

この工程は、生地に粘り気と弾力を生み出す重要な作業です。家族みんなで囲んで、わいわいとおしゃべりしながら生地を練る。

そんな温かい風景が、昔の新潟の家庭にはありました。

生地がなめらかになったら、生地を適量に分けて、中にあんこを包んでいきます。

手の中で生地を広げ、真ん中にあんこを乗せ、丁寧に包み込んで丸めます。

この時、あんこがはみ出さないように、そして団子の形がふっくらと美しくなるように、心を込めて形を整えるのがコツです。

笹の葉で包む、職人技の妙

団子が完成したら、いよいよ笹の葉で包んでいきます。

この工程こそ、笹団子作りの醍醐味であり、熟練の技が光る部分です。

笹の葉は、熱湯にくぐらせて柔らかくしておきます。

まず、笹の葉を3枚重ねて広げ、その上に団子を乗せます。

笹の葉で団子を包み込み、葉の端を折り込みながら形を整え、更に1枚笹を被せて、イグサの紐でしっかりと縛っていきます。

紐の結び方は独特で、団子が崩れないように、また蒸した時に蒸気が通りやすいように、絶妙な加減で結びます。

この手際の良さこそ、長年の経験がなせる技なのです。

包み終わった笹団子は、蒸し器に入れて、約30分蒸します。

蒸し器から立ち上る、よもぎと笹の葉の混ざり合った香りは、まさに幸せの香り。

蒸し上がった笹団子は、粗熱を取ります。

冷たくなった笹団子は、つやつやと輝き、食べる前からその美味しさを物語ってくれます。

江口だんごが受け継ぐ、笹団子の伝統

私たち江口だんごは、この伝統的な笹団子作りの製法を、変わらずに守り続けています。

しかし、ただ伝統を守るだけでなく、現代の暮らしに寄り添った形で、笹団子の魅力をお届けしています。

変わらぬ手作りの温かさ

江口だんごの笹団子は、今も一つひとつ職人の手で包まれています。

厳選された新潟県産の素材(もち粉、上新粉、よもぎ)と、北海道産の小豆を使った特製あんこを、熟練の職人が心を込めて包み、丁寧に紐で結びます。

手作業だからこそ生まれる、ふっくらとした美しい形と、一つひとつに込められた温かさが、私たちの笹団子の大きな特徴です。

機械では決して再現できない、人の手から伝わるぬくもりを感じていただけることでしょう。

忙しい現代に寄り添う、冷凍笹団子

笹団子は、本来日持ちのしない生菓子です。

しかし、遠方にお住まいの方や、いつでも気軽に笹団子を楽しみたいというお客様のために、私たちは冷凍笹団子をご用意しています。

出来立ての笹団子を急速冷凍することで、風味や食感を損なうことなく、美味しさをそのまま閉じ込めました。

冷凍庫にストックしておけば、食べたい時にいつでも、出来立てと変わらない笹団子の味をお楽しみいただけます。

電子レンジで温めれば、もっちりとした食感とよもぎの香りがさらに際立ち、出来立てと同じような味を再現できます。

笹団子作りは、多くの手間と時間を要する作業です。

しかし、その手間をかけるからこそ、豊かな自然の恵みと人々の温かさが詰まった、特別な味わいが生まれるのです。

私たち江口だんごは、その「特別な味わい」を、一人でも多くの方にお届けするために、心を込めて笹団子を作り続けています。

ぜひ一度、江口だんごの笹団子を味わい、その深い味わいと、笹の葉に込められた物語を感じてみてください。

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