「ハレの日」から「日常」まで – 長岡赤飯が紡ぐ長岡市民の記憶

茶色い赤飯が長岡に根付く理由

全国的に赤飯といえば、ささげや小豆で色付けされた鮮やかな紅色の「お祝いのご飯」を指します。しかし、新潟県長岡市では、色が濃い茶色をした醤油味の「長岡赤飯」が、市民の生活に深く根付いています。

なぜ長岡では醤油味なのかという歴史的な謎はありますが、この醤油の香ばしさと、もち米のふっくらとした食感、そして大きな金時豆の組み合わせは、長岡市民にとって特別な意味を持ちます。江口だんごが大切に作り続けているこの味は、単なる郷土料理を超え、長岡市民のソウルフードとして、さまざまなシーンを彩ってきました。

人生に寄り添う「ハレ」の味

長岡赤飯は、もちろん一般的な赤飯と同じく「ハレの日」、つまりお祝いの席には欠かせません。

  • 結婚式や披露宴の引き出物として配られることが多く、長岡出身者にとっては「故郷の味でゲストをもてなす」という特別な意味を持ちます。
  • 子どもの入学や卒業棟上げ式など、人生の節目には必ず食卓に登場します。

醤油の香りは、単なる美味しい匂いではなく、「おめでとう」「ありがとう」という感謝や祝福の言葉を思い出させる、幸せの記憶と結びついているのです。

日常の食卓に溶け込んだ「ケ」の味

長岡赤飯の最大の特徴は、一般的な赤飯が「ハレの日」専門であるのに対し、長岡赤飯は日常(ケの日)の食卓にも当たり前に並ぶことです。

長岡市内のスーパーマーケットでは、パック詰めされた醤油赤飯が毎日販売されており、仕事帰りに買って帰る人、子どものおやつや夜食にする人も少なくありません。その理由は、醤油味のもち米が、長岡の人々にとって「おこわ」や「おにぎり」と同じように、日常に馴染んだ親しみやすい味だからです。

江口だんごの長岡赤飯は、厳選された新潟県産のもち米と地元の醤油を使用し、昔ながらのせいろで丁寧に蒸し上げられています。この変わらない品質と伝統の味が、日常のちょっとした贅沢や、家族団らんの温かい時間を提供してくれます。

故郷を思い出す「記憶の糸」

進学や就職で長岡を離れた人にとって、長岡赤飯は「故郷」そのものです。冷凍パックを温めて立ち上る、あの独特の甘じょっぱい醤油の香りを嗅ぐだけで、一瞬にして幼い頃の食卓や、故郷の家族の顔が思い浮かびます。

「長岡に帰省したら必ず食べる」「遠方の友人に贈る」という行動の裏側には、「長岡市民としてのアイデンティティ」と「故郷への愛情」が詰まっています。

江口だんごの「長岡赤飯」は、「お祝い事」も「何気ない日常」も、長岡市民の暮らしとともにあり、その時々の思い出を刻んできた、長岡市民の記憶を紡ぐ大切な味なのです。

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